11月24日に行いましたIEEEプレスセミナーの様子が「朝日新聞デジタル&M」他多数の媒体に掲載されました。どうぞよろしくお願いいたします!!
2019年12月5日、「ロボットと未来」に関するItaly-Japanワークショップが早稲田大学理工学部で開催されました。
「Society 5.0: AIとロボットの未来」と題した講演を、日本そして世界のロボット工学を牽引されてこられた第一線の理工系の先生達と共に、人文社会系の見解から、AIやロボットの未来についてお話させて頂きました。
ご招待いただきましてどうもありがとうございました!
2019年6月20日、ACM、ステファン・イバラキ氏よりビデオインタビューを受けました。イバラキ氏は、国連ITU「AI for Good」グローバルサミット共創設者でもあります。
インタビューでは、ACMチューリング賞受賞者のヨシュア・ベンジオ氏に対する私のインタビューや、私自身がAGIやAI社会の未来についてどう思っているかなどについてお話ししました。
さらに、日本やアメリカ、イギリスでこれまで私が受けた教育や、異文化に対する適応などについて聞かれました。
そして英国ケンブリッジ大学、米国ハーバード大学やコロンビア大学など、海外の大学と行っているAIに関する国際共同研究についてや、これからの私の目標などについて尋ねられました。
事前打ち合わせなしで、15分くらいの簡単なインタビューと聞いていたのですが、実際は40分以上にも及ぶロングインタビューとなり、途中うまく説明出来ないところもあっていろいろと大変でしたがとてもいい勉強になりました。
貴重な経験をさせて頂きましたことに心より感謝しております。
http://stephenibaraki.com/acm/interviews/v0619/toshie_takahashi_acm.html
2019年6月7日。AI大国カナダのモントリオール大学で、コンピューター・サイエンス分野のノーベル賞とも言われる「チューリング賞( 2018 ACM A.M. Turing Award )」を受賞したヨシュア・ベンジオ氏のインタビューを行いました。ヨシュア・ベンジオ氏はディープラーニングの父と言われ、ジェフリー・ヒントン氏やヤン・ルカン氏と共に、AIのブレイクスルーに貢献したパイオニア的存在です。
多くのAI研究者が大学を去り、Googleなどの企業に移ったにも関わらず、べんジオ氏は、次世代のAI研究者を育てることの大切さから、モントリオール大学に MILA (Montreal Institute for Learning Algorithms)を設立し所長を務めています。その一方で、スタートアップElement AIを立ち上げ、アカデミズムと企業の橋渡しも行っています。
今回のインタビューでは、AGIの可能性や、データバイアス、AIのチャンスとリスクなど、私がケンブリッジ大学や国際サミットや学会など、これまでの研究生活を通して疑問に思っていた点について貴重なお話を伺う事が出来ました。
インタビュー(英語)は、こちらから。
2019年6月10日から4日間に渡ってモントリオールで開催された米州国際経済フォーラムに招待して頂きました。
AI、ロボット、ブロックチェーン、フィンテックなど、新しいテクノロジーのインパクトについて、各国首相や大臣、CEOなどが集まって、連日活発な議論が行われました。
AIの規制や倫理に関する議論では、最初から規制するのではなく、アメリカのシリコンバレーの文化のように、まずは自己規制(self-regulation)で初めてみて、問題が表明したら、アクションを起こすというプロセスの方がいいのではという意見がありました。すなわち最初から規制することによってイノベーションが妨げられるよりは、規則や法律はいつでも変えられるため、規制を設けずに企業の自己規制に任せて、イノベーションを尊重する方がいいということです。しかしながらこの方法が機能するためには、企業とアカデミック、自然科学と人文社会科学などのコラボレーションや、一般市民のエンゲージメントなどが必要となる点も指摘されました。
また、AIによる中国の監視社会やロシアの権威主義など、国家レベルでのAIのリスクについても議論されました。特に、中国のAI開発に関する懸念が、基調講演やセッションなどでかなり多く表明されました。中国のAI開発が西欧諸国よりも進んでいる点、データが国家により集められ人々の監視や統制に使用されている点、そして冷戦以降の新たな国家間における緊張関係を引き起こしかねない点など。
今回、経済フォーラムに参加して考えたことは、AI開発によって世界の構図が塗り替えられる可能性についてです。これまで、グローバル化の過程は、特に西欧諸国においては「西欧vs.その他」という構図で捕らえられて来ました。しかしながら、AIの社会的インパクトの大きさから、「AI先進国家(あるいはDigital Nation)vs.その他」にパワーチェンジしていくのかもしれません。このことのもたらす意味に関しては、また別の機会に述べたいと思います。
今回の経済フォーラムには、カナダやアメリカの政界や産業界から4000人の参加者が集まり、AIに対する関心の高さを肌で感じる事が出来ました。昨年と比べると、AIのセッションが増え、さらにビジネス界の参加者がかなり多くなったそうです。
日銀副総裁の若田部昌澄さんをはじめ、多くの方にお目にかかる事が出来ました。ご招待いただきまして、どうもありがとうございました。
2019年6月7日、8日、モントリオール大学MILA (Montreal Institute for Learning Algorithms)で開催された AI4Goodシンポジウムとハッカソンに参加しました。
ヨシュア・ベンジオ氏が所長を務めるMILAでは、AI開発における人文社会科学系との協働が重要なことから、AI for Humanityのプログラムを立ち上げ、社会的便益の高いAIの開発を目指しています。
今回のAI4Goodのシンポジウムで、私が特に参考となったのは、人々とAI研究者を結びつける、AI Commonsについてです。このような世界的なネットワークが、国境をこえ、問題を抱える多くの人々とAIエキスパートを結びつけることによって、人々を幸せにするためにAIが開発されるといいな、と思いました。
シンポジウムの後、モントリオール在住の一般市民を交えてのハッカソンが行われました。このようなハッカソンも、市民の問題解決につながると同時に、市民のAIに関するエンゲージメントやリテラシーを高めることに大きな貢献を果たしていると感じました。
ご招待頂来ましたMILAのAI for Humanityのディレクター、Myriam Côté先生に心より感謝いたします。
2019年5月28日から31日まで、ジュネーブで開催された国連ITU「AI for Good」グローバルサミットに、今年も招待して頂きました!昨年は、参加者が600名くらいだったのですが、今年は3000人となり、かなり大規模になっていてびっくりしました。
昨年と今年の違いは、規模の大きさだけではなくて、参加国が多様になっていること。特にアフリカ各国の大臣が多く来ていました。ITUは、現在インターネットで繋がっているのは世界の50%に過ぎないため、残りの50%を繋げる事を目標にすると述べました。一方で、各大臣たちも、アフリカにはビジネスチャンスがたくさんあることをアピールしていました。
プログラムの構成においてトラックやセッション、登壇者も昨年とはガラリと変わりました。「AIとデータサイエンス」「AIと若者と教育」「AIと健康とウェルビーイング」「AIと人間の尊厳と包摂」「AIと宇宙産業」など。また、昨年、「AI for Good」があるなら、「AI for Bad」もあるはずだという指摘がありました。今年は、リスクに関する「AIと人間の尊厳と包摂」のトラックが設けられました。リスクに関しては、排除や差別などについて、人種やジェンダーなど様々な観点から語られました。
今回のAIサミットで、私が最も共感を覚えたのは、フランスの数学者でマクロン大統領のアドバイザーであるCedric Villami氏の講演です。Villami氏は主に4つの点について強調されました。まず、AIはとてもintelligenceと呼ぶには程遠く、人工知能と呼ぶべきではない。まだ実験段階であるため、データを共有しながら協働して実験することが大切であること。第2に、学際的なアプローチが重要なこと。第3に社会的便益のために作らなければならないこと。第4に、人間が主権的であること。AIの軍事利用や戦争を避けるためには、各国が共通の目的に向かって開発することが必要だと述べられました。
私は「若者とAI」のトラックに招待されました。2016年からこれまで3年間日本の若者を対象に行って来た「若者とAI」プロジェクトの調査結果に基づいて、AIがもたらす新たなチャンスとリスクや、AIリテラシーや教育において必要な点、そしてAI社会の構築に必要な「ヒューマン・ファースト・イノベーション」について提案を致しました。
現在、AIは国境を越えた社会的インパクトの大きさから、環境問題などと同様にグローバルな問題となっており、他国との協働が求められています。今後も日本からの発信、そして共によりよいAI社会を創るための提案をしていきたいと思います。
2019年5月23日と24日の2日間にわたってコロンビア大学主催の『AIの歴史(Towards a History of Artificial Intelligence)』が開催されました。
昨年英国ケンブリッジ大学で開催された『AIの歴史(HIstory of AI)』イベントの第2弾なのですが、さすがにNYとあって多様な専門家によって、AIに関するラディカルな議論が行われました。
中でもAI NowのMeredith Whittaker氏は、グーグルに30年間務めており、グーグルだけではなく、フェイスブックやアマゾンなどによるAI開発の現状とリスクに言及しました。例えば顔認証システムに関して、企業は単なる性別や人種、名前が知りたいのではなく、その人が良い労働者なのか、テロリストなのか、という問いに対して「YESかNOか」という情報を求めている点。また、データバイアスによってAIが引き起こす社会的な不平等や、AIを使用するためにかかる多大な費用などについても言及しました。
ケンブリッジ大学で行われた「AIの歴史」では、オートメーションに内包される西欧から東洋に対するオリエンタリズムなどが議論に上がりましたが、コロンビア大学で行われたイベントでは、ジェンダーや人種などアメリカ国内における不平等がAIによって強化されることに対するリスクが議論されました。
今、私たちは新たなAI社会の歴史を築こうとしています。20年後、30年後、50年後、未来の学生が「AIの歴史」を語る時に、恥ずかしくないように、きちんとリスクマネジメントをし、より良い社会の創造に注力することが大切だと思います。
ご招待してくださったコロンビア大学の歴史学者Matthew L. Jones教授に心より感謝いたします。